KEN G in Toronto in February 2007


トロントも気がついてみればもう五回目である。今までは10日程度しか滞在していなかったのですが、今回は約3週間の長めのトロント滞在です。しかも一番寒い時期のカナダ。どうなることやら。。

1/31(水)
前日にニューコンボで田口さんのカルテットのライブで盛り上がり、一夜明けて朝から最終の準備をしていざ福岡空港へ。 昼前の便でまず成田に移動し、ここからは今回はUNITED航空でシカゴへ向かう。 約12時間、疲れていたためか適度に眠れて割と早く感じました。 シカゴ空港に到着。 アメリカの入国審査、最近厳しいので覚悟していたがすんなり通過。 ターミナルを移動しトロント行きの便を待つだけだ。 ここまでは順調そのものだ、もうトロントに着いたようなものだ、とたかをくくっていたら、いきなり予定の便がキャンセル。 理由はよく分からないがカスタマーカウンターに行くと午後9時の便に変更されてしまう。 予定の便より5時間以上の遅れだ。 まぁでも仕方ない。 更に20分遅れてやっとシカゴを発ち、トロント空港に着いたのは夜中12時をまわろうとしていた。 カナダ入国審査は無事済ませ、荷物を待つが、預けていたソプラノが出てこない。 仕方なく出て来たら宿に届けてもらう手続をし、やっとトロント空港を出る。 今回は空港からダウンタウンには市バスと地下鉄を乗り継いで安上がりに行こうと思ってたのだが、時間が時間だけにやむなくタクシーでダウンタウンに向かい夜中1時半過ぎにやっと宿に到着。 部屋に入り落ち着いて寝ようとベッドに乗った瞬間、思わぬトラブル発生! 今日は本当に色々ある日だ。 スタッフを呼び応急処置をし、やっと就寝。 長い一日だった…。

2/1(木)
この日はWARE HOUSEというお店でランチタイムギグ。 サン・ムラタさん(以下サンちゃん)が宿に迎えに来てくれ、久しぶりの再会。 相変わらず無茶苦茶元気そうだ。 これから約三週間濃い日々が続きそう。 いざWARE HOUSEへ。 LAST WINTERのレコーディングメンバーが勢揃いして和気あいあいとした演奏でした。 ダンは少々遅刻してきましたが。 夜は新しいお店opalでボーカルのモーレン・ケネディ、ピアノのゲイリー・ウィリアムソンと共演させていただきました。 どちらも世界的に認められている超大御所です。 全くのノーリハで譜面もなく二十曲くらい。冷や汗が出ました…。 しかし良い勉強になりました!
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2/2(金)
今日はオフ。 昼間からCD屋などに行って歩き回り、夜はゲイリー・ベンソンというギタリストが入ったギグをロイトンプソンホール向かいのQUOTESというお店に聴きに行く。 楽器構成はビブラフォン、フルート、ギター、ベース、ドラムの豪華五人編成。 ビブラフォン奏者がリーダーのようだ。 ゲイリー・ベンソンさんはサンちゃんの親友で超ベテラン、僕はまだ共演したことないのですが一度話をしたことあったのを覚えていてくれました。 来週の水曜は共演する予定なので楽しみです。 このお店は毎週金曜ジャズバンドが入ってて時間は夕方5時から8時まで。 メンバーは一流が出てるのにノーチャージ。 ここは確かに穴場かも。 僕が着いたのは6時前後で一部が終わったところという感じだったが、すでに店内はごった返していて、バーで酒を飲みながら聴いたり、テーブル席で食事をしながらしゃべったりかなりのリラックスムード。 ライブのフライアーには - no cover charge - no reservations requird - no quiet policy - と書いてある。 確かにがやがやしているが誰かのソロが終われば必ずヤンヤヤンヤの拍手が巻き起こる。 ライブが目的で来ている人もかなりの割合でいるようだ。 来ている年齢層は幅広く気軽にジャズの生演奏を楽しんでいる。 トロントに限らずNYなどでもこういう雰囲気のお店は多く、日常にジャズの生演奏が溶け込んでいて非常に良い感じ。 フルート奏者がかなりのやり手で盛り上げどころを心得たソロで、ドッと拍手が湧く。 ベーシスト以外は年配で、ベテランの名人芸の連続という感じ。 気持ちよく時間が過ぎていった。 8時という早い時間に終わったのでライブのハシゴをしに、トロントジャズシーンのメッカという感じのお店REXへ移動。 ここでも早い時間にやってたバンドが着いたと同時に終了。 9時半からのメインバンドを立ち飲みしながら待つ。 しかしREXも金曜ということもあってか足の踏み場もない程ごった返している。 広いお店なので二百くらい入ってるのではなかろうか。 ここはミュージックチャージ有りだが、今日は多分かなり一流どころのサックス奏者のバンドらしいが、チャージ$9。安い。 しかしこれだけ入って、しかもどんどん回転していくのだから凄い。 リーダーはソプラノ・アルト・テナーを吹き分けるVERN DORGE。 あとトロンボーン、ギター、ピアノ、ベース、ドラムという六人編成。豪華だ。 非常にセンスの良いバランスのとれたハイクオリティなライブでした。 今日は良い演奏をハシゴして大満足。

2/3(土)
今日はサンちゃんとまた落ち合い、サンちゃんの友達の家で毎週ジャムセッションやってるというので、連れていってもらいました。 ジム・マクバーニーというピアニストの家なのですが、話を聴いてビックリ! 昨日聴きに行ったフルート奏者ビル・マクバーニーと兄弟だったのです。 更に一年半くらいにノーマン・アマディオのレコーディングの後に会った、日本語の達者なドラマー、ロッド・マクバーニーも兄弟、つまり三兄弟だったのです。 ロッドとは今回来る前にmailでやりとりしてて是非また会おうといってたのですが、昨日やっと電話が繋がり、ではジムのセッションで会おうと話し、やっと再会が実現したのでした。 繋がるときは繋がるものです。 何度も共演させていただいたイアン・バーチ(P)も来てました、相変わらず「お前とはもう話すことは何にもない!」なんて毒づいてます。 そうそうイアンはこうでなくちゃ(笑)他にも素晴らしいミュージシャンが続々来ます。 特にサックスが多くみな個性があって非常に上手く、僕などお呼びでないという感じでしたがせっかく来たので数曲加わって恥をさらしてきました。 毎週やってていつでもウエルカムだと言ってくれたので、恥をしのんで来週の土曜も顔をだそうと思います。 凄く勉強になるし刺激になる。 良い場を紹介してもらって本当に感謝です。
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2/4(日)
今日はロッドさんちに昼から遊びに行き、ちょっと練習させてもらった後、3時頃からDominion On Queenというお店のJamに連れて行ってもらいました。 NORM MARSHALL VILLENEUVEという素晴らしいドラマーがリーダーをやってて、非常に良い雰囲気のセッションでした。 ここのセッションも毎週日曜やっているようなので、行けたら毎週行きたいところです。 そして夜は一度共演させていただいたことがあるギタリスト、ロイ・パターソンのギグを聴きに行ったのですが、最寄りの駅から一応前以て調べた方向を歩いて探したのですが見付けることが出来ず。 無茶苦茶寒いのもあって死にそうだったので、断念。 また地下鉄で引き返し、まだ時間早かったのでREXに寄る。 そしたら去年何故か熊本で共演したことがあるトロントのピアニスト、ロン・デイビスとばったり会う。 昼間セッションリーダーしていたドラマーのNORMも来ていて、その時出演していた素晴らしいベーシスト、NEIL SWAINSONも紹介してくれて少し話せて楽しい時間でした。

2/5(月)
今日は1番最初にトロント来た一昨年の六月に共演して以来友達になったギタリスト、ネイスンがその友達ドラムのスライんちでセッションを企画してくれた。ベーシストは前に共演したことがあるブランディの予定だったが、ジョンに変わったようだ。 スライもジョンも僕は初対面だが、みんなナイスガイで演奏も非常に良い。 特にネイスンは確か24歳くらいなのだが、人間も無茶苦茶いいやつだし演奏もそんな若いのに落ち着いていて、しかもセンスが良い。 連中に遅い昼飯までおごられてしまった。 英語がうまくコミュニケーション出来ないのはあるが、もう40になろうかというのに情けない。 もうちょっと頑張ろう…。

2/6(火)
今日はまたロッドさんのお言葉に甘えて、ロッド邸に遊びに行った。 夜は違う日本人の友達も来て晩御飯でも一緒に食べようという予定だったが、その日本人の友達の日本人が倒れて大変なことになってると連絡が入り、ご飯どころの話しではなくなる。 異国の地で病気になったりすると本当に大変だ。 とにかく良くなることを祈るばかりだ…。

2/7(水)
今日はまず午前中からベースのジャック邸でリハーサルセッション。 ギターのダンと、ドラマーケビン・コーディの四人でスタンダードをやったりオリジナルをやったりして楽しいセッションだった。 ケビンは素晴らしいドラマーで人間も飾らない感じのナイスガイだった。 明日のライブが楽しみだ♪ 夜はウイットビーというところにあるニースビストロというお店で、サンちゃんとゲイリー・ベンソンとゲイリー・ビンステッドとギグ。 ベンソンさんとは初共演。 大人の落ち着いた年季の入った演奏で非常に気持ちよかった♪ お客さんも喜んでいただけたみたいで、皆さん温かい言葉をかけていただいてうれしい限りです。 しかし寒い、そうとう寒い。 これくらいの寒さがこっちは普通なのかと思ったら、サンちゃんいわく「ケンちゃん大変な時にきちゃったな!二月入ってからはここ数年なかった寒さだよ!」だって。 まぁそれもイイ経験と思って楽しんでます。 この日も地下鉄おりて宿まで歩いてると、凄い風が吹いて、ダウン着ててもドンドン体温奪われる。頭の風防も剥がされそうだし、テナーとソプラノの風の抵抗もあってか本当に足を取られて吹き飛ばされるんじゃないかと思うくらい。 なんとか歯を食いしばって歩き宿に帰りました。
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2/8(木)
木曜日なので昼間はいつものウェアハウスグリルでランチタイムギグ。 夜はMOMO'S BISTROというお店でベースのジャックさんのギグにゲスト参加した。 昨日昼間セッションしたケビンと、前に二度ほど共演させていただいたことがあるピアニストリチャード・ホワイトマンの四人。 ジャックのバラエティに富んだオリジナルや僕の曲やスタンダードを織り交ぜ、非常に楽しいギグでした♪ ジャックは勿論リチャードもケビンも素晴らしいかった。 また彼らとも共演したいです。

2/9(金)
今日は昼からサンちゃんがピックアップしてくれて、トロントダウンタウンジャズフェスティバルも主催している人に会う。 この方は本当に忙しい方で会えたのは奇跡的らしい。 サンちゃんが前々から会わせたいと言っていたが、やっと実現したのでした。 そして3時頃から僕のアルバム「テンダリー」で共演し去年日本にも来てくれたノーマン・アマディオさんちにお邪魔した。 一昨年レコーディングしたあとにお宅にお邪魔させていただいたが、最近引っ越したらしく新居に。 サンちゃんとしゃべったり二〜三曲セッションしたりしたあと、夕飯をご馳走になる。 ノーマンさんは恐らくトロントで一番尊敬されているミュージシャンだ。 一緒に食事などしたら絶対他の人に払わせないし、とにかく与えるばかりの神様みたいな人だ。 サンちゃん通して彼と親しくなれて一生の財産だと思った。 その後、まだ時間が早かったのでクイーンストリート沿いのドミニオンにまた寄る。 前回ロッドに連れて来てもらったが、今回サンちゃんと行き改めて店のオーナーと挨拶でき、ゆっくり話も出来た。 しかしサンちゃんは本当に顔が広い。 ドミニオンには日曜にまた一人で来る予定だ。

2/10(土)
今日はジム・マクバーニー邸のジャムセッションに顔をだした。 今回はひとりで顔をだしたが、ジムはじめみんな良くしてくれる。 その後ジャックとダンとウェアハウスの近くのお店で演奏。

2/11(日)
日曜なので先週来たドミニオン・オン・クイーンに一人で顔を出す。 やはり先週と同じくドラムのノーマンがリーダーでピアノ・ベースは違うメンバーでやってるところに参加させてもらう。 ノーマンのドラミングはいつも冴え渡っている。

2/12(月)
他のサックス奏者に教えてもらったダウンタウンの楽器屋に行ってみる。 そして夕方からまたREXに行ってみた。 リーダーのピアニストは知らない人だったが行ってみてびっくりメンバー五人のうち三人は知り合いのミュージシャンだった。 ジムのセッションで会ったサックス&調律のボブと、ドラムのスライ、ベースのブランディだ。 特にボブは休憩時間に気さくに話かけてきてくれた。 ボブはもうすぐ還暦になろうかという歳のようだが、音がパワフルかつノビがあり素晴らしいプレイだった。
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2/13(火)
そろそろ着替えがなくなってきたので、洗濯したりする。REXにも行き地元のギタートリオを聴く。このトリオはロックというかちょっとおしゃれなコンテンポラリーミュージックという感じだった。REXはJAZZ&BLUES BARと看板に書いてあるとおり、ジャズだけではなく色んなジャンルのバンドが出演している。

2/14(水)
今日はピアノのノーマン・アマディオとサンちゃんちの近くポートホープのお店で演奏。バレンタインデーだからか、凄く沢山のカップルで賑わっていた。今日はそんなお客さんのために完全にBGM演奏に徹する。しかしノーマンとの演奏は楽しい。その後ダウンタウンに戻りノーマンがドミニオンに行こうというので、またドミニオンに。ここでピアノのノーマンとドラムのノーマンの2ショットを見ることが出来た。もちろん知り合いのようで隣同士に座って色々話していた。写真を撮っておけば良かった。。

2/15(木)
そしてトロントのダウンタウンに戻ってきて、木曜昼間恒例のウェアハウスでの演奏だ。夜はまたREXにライブを聴きに行く。今日はDAVE SMITHというN.Y.から来たトランペッターのバンドだ。凄く洗練された素晴らしいバンドだった。

2/16(金)
今日はかなり郊外に住んでいるサンちゃんの友達ロブさんの家に招かれてセッションしに行く。ノーマンの運転だ。ここはサンちゃんちどころではない、本当のカナダの田舎だ。行く途中も吹雪いていて、車がもし故障したら確実に死ぬな。。。とい思った。しかしロブさんちに到着するともうミュージシャンは集まっていて、料理も用意できていていきなり心も体も温まった。ロブさんちは広く窓も沢山あって開放感のある素晴らしいお宅だった。そしてロブさんはベーシストでありながら、プロの料理人でもあるそうで、素晴らしい料理をいただきながら時々セッションし、至極の時間を過ごさせていただきました。録音機材も揃っていて、簡単に録音もしたのですが、非常に良い感じです。今度レコーディングするときはロブさんにお願いするかも。。

2/17(土)
またジム・マクバーニーのお宅のジャム・セッションにお邪魔した。 もう三回目、すっかりとけ込んで楽しい時間を過ごす。

2/18(日)
今日はまた3度目のドミニオン。16日に会ったドラムの方や少年のアルトサックスと思わず再会したり、初めて見るミュージシャンも何人か来てたりして、非常に盛況だった。

2/19(月)
この日はサンちゃんがまたポートホープから出てきてくれ、色んな人を紹介してくれる。皆良い人ばかりだ。ジプシーバンドのギターをつとめるアンドレもその中の一人だが、70歳過ぎているにもかかわらず今でも国内外問わずに演奏活動をしているらしい。かくしゃくとしたカッコイイおじいちゃんだった。そして多分サンちゃんと会うのはこの日で最後だろうということで、夜は日本食レストランにて色々話し合いながら食事をした。今後の展望をサンちゃんと語り合うのは楽しい。サンちゃんの提案で5月半ばから8月お盆前まで約3ヶ月弱、またトロントに来ることになりそうだ。今回やるかも知れなかったサンちゃんのCDのレコーディングもその時期に延期、ニースビストロでのジャズフェスティバル、6月末のトロントダウンタウンジャズフェスティバル、7月末のビーチジャズフェスティバルなど暖かくなるにつれてイベントも多く、また有意義な3ヶ月になりそうだ。

2/20(火)
今日はロッドさんちにまた遊びに行った。インド人の彼女も合流してくれて、食事をしたり楽しい時間だった。ロッドさんには今後も色々とお世話になることになりそうだ。本当にいい人で感謝。

2/21(水)
3週間長いようで短かった。早朝6時に宿を出てトロントピアソン空港に向かう。帰りは便のキャンセルもなく非常に順調だった。

2/22(木)
日付が変わり22日22時頃家に到着。今回は滞在期間が長く一人で行動する日が多かったが、非常に良い経験だった。もちろんサンちゃんがまず紹介してくれたからこそだろうが、会う人会う人皆さん良くしてくれ感謝の連続だった。これがまた今後、5月からの滞在にも繋がっていきそうで嬉しい限りです。トロントの皆さんありがとうございました!


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